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2022年part7参加者一覧 2022年part7会場風景 メッセージ(HP係) 松岩邦男展 中島智子展 |
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夢のイストワール展によせて 夢のイストワール展代表 松岩邦男
人という種は、夢見ることがとても好きで、その想いを形象化していく沢山の事を積み重ねながら繁栄しました。 その原動力は脳の発達と想像力や気づきでした。
そして、21世紀の今は戦争もなくなりつつで...平和と豊かさを享受する世はAI革命も 始まり、向こう30年程で人間社会のしくみさえ変わってくる様に思えます。
200年前の産業革命で、鉄道網がまたたく間に世界をひろがり、自動車や飛行機が飛びかう時代が来た様に...。
しかし、眼に見えないところでは、地球の温暖化も進み、このヒト種の繁栄とはうらはらに、動植物は少しずつ絶滅の崖っぷちに追いこまれている様に思えます。
遠からず地球は人間とペットと食糧資源という名になってしまった生きもの達だけになってしまうかもし れません。ここらで、人間中心の考え方を改めて生物種全体と親和してゆく暖かいまなざしや視点を持つ必要があるのではと感じます。
古の頃から芸術は人間特有のひとつの享楽ですが、作家の内には様々な事の中で経験する自己と表現として物語る自己がいて、魂のレアリズム溢れる作家には、経験する自己の中で育みひろい集められたエッセンスが輝いている様に思えます。
紡がれた絵は生きて物語る...。 内なる探求や自己実現の内宇宙も外の世界とリンクしていて共に時代を歩むものですから、作家の生きざまが出るのでしょう...。何を想い、何を描きたい
のか? 自問しつづける事は大切なのです。 |
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“イストワール”の言葉には「歴史」と「物語」の二つの意味が ございます。参加作家が、それぞれに重ねた思索と試行錯誤の 果てに、ようやく誕生させた作品は、正に“イストワール”の
名を冠した当展示に相応しい、たくさんの熱きストーリーを 鑑賞者に語り始める事でしょう。 安直に即時性と利便性ばかりが先行する今の時代に、敢えて、
時間と手間をかけて表現する芸術が内包する物語は、深遠で 力強いモノであると信じています。 第5回目を迎え、一里塚としての「図録」制作に至りましたが、
その編集に寄せられた作家陣のカ作に接し、編集作業も相当の 気概を以てその任に当たらねば、作品群の持つ力量と情熱に、 こちらが参ってしまうような大変なエネルギーを感じました。画集のように、大きな画像で作家全員をご紹介するには至りませんが、「夢のイストワール展」の担い手たちの、個性と作風...、
そして込められた熱量が少しでも垣間見える“作家便覧"の 如き図録集となっていれば、真に嬉しく思います。(ページ末に表紙画像)
イストワール事務局
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夢のイストワール展に参加ご希望の方は、作品写真4~5枚、経歴、連絡先(住所 氏名 年齢 職業 電話番号 メールアドレス)等を、メールに添付の上、事務局までお送りください。
送付の際は「夢のイストワール展参加希望」とお書き下さい。 【事務局送付先 htsanaka@outlook.jp】 |
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夢と胡蝶の間 松本夏樹
昔みた夢を覚えていることがある。それは夢の内容それ自体によるというより、夢から受けた強 い感情的痕跡によると言ってもよいだろう。つまり夢が意識に刻印付けたネガのようなものだ。
では当の夢の内容あるいは表象群は、覚えている夢の記憶表象と同一のものだろうか?おそらく そうではあるまい。夢を見てその強い感情的刺激によって覚醒したとき、一瞬後には意識が活動
を始めて、それ自体無意味で筋の通らぬ不合理な夢を、自分が受けた感情的刺激に相応しいな んらかの「物語」へと編集改竄しなおすのではないだろうか。そしてこの編集後の夢の表象群を記
憶しているとすれば、夢は実に三つの様態で現象する存在だということになる。つまり夢それ自 体、夢から受けた感情的痕跡、そしてこの感情を合理化する編集後の記憶表象の三つである。
翻って我々が「現実 Real」と呼んでいるものも、畢竟この夢の三様態と何一つ異なるところはな いだろう。カントを牽くまでもなく「物それ自体 Ding
an sich」は意識にとって見知らぬ他者であ り、先験的に制限された意識の形式内に出現した表象によってのみその存在を知るのであるか ら。つまり我々は
Real それ自体を知るのではなく、意識が Realize した表象によって Reality を感 受するしかないのである。
とはいえ荘子の胡蝶の夢に蛇足をつけたいのではない。そうではなく、夢の記憶表象群が編集 されて出現してくる場を単なる非現実、虚妄とみるべきではなく、実在 Reall でも非在 Irreal でもな い第三の存在様態「半実在」として、合理主義とは別の認識的立場としてみるべきではないか。イ スラム教シーア派神智学研究の大家 H.コルバンはそれを「想像界 Mundus Imaginalis」と呼んで いる。虚妄ではなく像 Image を創造し realize するトポスである。若きゲーテに決定的影響を与え た錬金術師ヴェリンクはこれを「元型界 Mundus archetypus」と呼んでおり、C.G.ユングの元型理 論に遥かに先行してもいる。 胡蝶と夢の間に第三の世界がある、この夢想もまた、リアライズされる世界がある、 この夢想もまた。
(松本 夏樹 1952 年大阪生まれ。図像学及び映像文化史研究。大学講師の傍ら著述、翻訳。著・訳書に『コロンブスの卵』朝日
出版、『神秘主義』せりか書房、『バロックの神秘』工作舎、『錬金術図像大全』平凡社、 『錬金術』平凡社、『日本映画の誕生』森話社、など。) |
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美術史私觀 井関 周
私は、2011 年という大変な年にギャラリーオル・テールを開廊しておりまして、懲りもせず今ま で 113 回もの企画展を開催して参りました。
私自身も中学3年から油絵に凝って、長々と下手な まま懲りもせず古臭い可笑しな作品を細々描いています。 仕事も美術品修復の仕事を 40 年も 諾々としてまいりました。
このように美術業界の片隅に生きて 40 年とりとめもなく思って来た事を書いてみます。 私の 画廊の作品はお客さんの好みは其々ですが、緻密で完成度のある作品はコスパ度合いにアドバ ンテージが有ると必ず売れて行きます。 今の時代は各種の美術用デジタル光学機器を若い作 家が駆使出来るようになって来ました。 そこから作れる目新しい謂わば驚かせイメージがブーム やトレンドになってきましたから、アーティストの勢力図も昔とはまるで様子が変わりました。 しかし変化のスピードはどんどん速くなり、伝統的美術史の脈絡からアートシーンは遠く離れ て、今日のトレンドは明日には早々に埋没してしまうと思われます。 当たり前ですがこの個人主 義の時代、各々の表現したい世界観を作品に具体化していれば良いのだとは思います。その意 味では個性的なアートを個人史の中でだけ語るのがこれからの美術史であれば良いのでしょう。
しかしながら、過去の美術史を格付けている普遍的に評価の変わらない作品群に共通する普 遍的な美術上の音楽のメソッドのような規範が在るのも事実です。 それは古典的で様式が明確 で保守性が強く、高い品位が在るのが特徴の美術品です。 これ等の作品群が人に美術史を書 かせて来た訳です。 実のところ人類の脳の感受性は極めて保守的で、それは百数十万年をか けて人類の受けてきた淘汰圧力が情動の進化を決定付けて来たのが理由です。 なのでアート が人の情動に快、不快などのいわば感情に訴え得るとき、美醜や品位の高さを感じ取る規準は 人類ほぼ共通なのです。
優れた作品の規準はそこにあり、権威や価格には本来関係ありません。 例えば構成と比例 の正しい構築、色彩と明暗の采配。具象系美術ではモチーフの選択とそのメッセージに相応しい デッサンの相貌、その他多くの要素を加味した正しい orchestration。
それこそが人びとの美的感性に賛嘆を得るのに必要なものです。 歴史上人びとの世界観は 時代とともに多様化し変化して来ましたが、膨大な人口のわりには一属一種である私達は同じ傾 向の情動を持つ孤独な存在でもあります。 愛も味覚も喜怒哀楽も似た者同士の私達人類。 そ んな訳で歴史的な美術品や巨匠の作品も今までと変わらず憧れと畏敬の対象です。 私見です が、作品は一見個性的に見える目新しいものを追うことなく、真摯に作家個人の経験からなる世 界観を見つめ、それを複雑に言い回しつつその上美しく表現するべきです。 それが古典的意味 でも高い質の美術品になりうる唯一の道ではないかと思います。
(ギャラリー オル・テール代表) |
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------------------ 第6回 夢のイストワール展 DM ------------------
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------------------ 夢のイストワール展図録 ------------------
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夢のイストワール展 会場
O美術館(オービジュツカン)
〒141-0032 東京都品川区大崎1-6-2
大崎ニューシティ・2号館2F
Tel. 03(3495)4040 Fax. 03(3495)4192
交通
JR線・りんかい線大崎駅(北改札口・東口)下車徒歩2分
東急バス(大井町駅ー渋谷駅)大崎駅下車徒歩2分 |
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夢のイストワール展(イストワール美術協会) 連絡先
〒190-0032 東京都立川市上砂町4-35-1-205 松岩邦男
図録・DM・編集・事務協力 中島智子
ホームページ担当 明輪勇作
メール(アルス美術会内) |
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【協賛協力】 株式会社 グラナダ 社会福祉法人 亀の子 ギャラリーGK
【協賛協力・個人】 河村美代子 星野貴子
(敬称は略させていただきます) |
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